【完】俺が愛してやるよ。




いつも家では放置してるくせに。


「今回だけですよ…」


校長は呆れたようにそういった。


あたしは…本当に誰からも必要とされていない。

そう思うのにはもう十分すぎるくらいだった。


するといきなり、隣にいたお母さんはあたしの方を見るなり眉間にシワを寄せた。


――パシンッ!


一瞬、何が起きたのか分からなかった。
ただ、左頬にジンジンと痛みがはしる。

しばらくして、お母さんに頬を打たれたのだとわかった。



「あんた、自分が何したかわかってるの!?」



お母さんの目をジッと見つめると、
氷のようにひどく冷たい瞳をしてあたしを見ていた。


今までなんかよりもずっと冷たくて…

まるで、汚いものを見るような目。

先生たちもさすがにこの光景には目を見開いて見ていた。



「お母さ…「お母さんだなんて呼ばないでっ!」



“ごめん”

そう言おうとする前に
お母さんの冷たい言葉で遮られた。



お母さんって呼ばないで…それって…