水玉模様

キュッ

水道の蛇口を止めて、タオルを探す…。

「はい、タオル。」

「ありがと…。」

篠田くんが、あの柔らかな表情で言った…。

「…良かった、止まってる。もぉ消毒いいや。」

「じゃぁ、戻る?」


「ーーーうん。」

嬉しいような、寂しいような…。

早く、このドキドキから解放されたかった。

でも…。

「篠田くん、やっぱり先生来るまで待ってよ?」

もう少し…このままでいたかった。


「し…篠田くん。」

「ん?」

「嫌だったら、先に戻ってていいよ…?」

引き止めたことに、今更ながら後悔していたのにーーー。

「全然いいよ。サボれてラッキーじゃん?」

そんな事を、笑顔で言われたら…。

身体中の血が、逆流するーーー…。

出来るはずもない期待を…してしまいそうになる。

太陽の熱から逃れている少しひんやりとした保健室の中で、確実にあたしだけが熱をもっていた…。