水玉模様

工藤瞬は、何でこうもストレートなんだ…。

あたしの中の女の子な部分が、騒ぎだす…。

「も~っ、耳元で大声だされたらウルサイじゃん!」

あたしは目線をそらすと、手の甲で頬杖をつき、色とりどりの花火を見上げた―――…。


ドォン……!

認めたくないけど、完全に照れ隠し。

花火がフィナーレを迎える頃、パラパラと小雨が降りだした。

「瀬口~。雨、降るなんて言ってなかったよね?」

「そぉなの?あたし天気予報なんて見てないや。」

あたし達は、丘を下り始めた。

次第に雨が大きな粒となって…雨粒は、さらに大きな水溜まりへと姿をかえた。

「あやね、掴まって?」

「うん。」

浴衣で歩きにくそうにしてるあやねに、生輝くんが手をのばした。

雨が降ってきたことで急に湿度が上がり、蒸し暑さに倦怠感を覚えながらも、だんだん体は冷たくなっていった…。

「寒っ…。」

「和奈姉、大丈夫?とりあえず駅まで行こ?」

「うん。」