水玉模様

生輝くんの言っていた”来週の土曜日”、花火大会ーーーあたしが思っていたよりも早く、当日を迎えた。

今日、7月最初の土曜の夜は、いつもより涼しくて、それはあたしの心をも冷やしていった…。

生輝くんと工藤瞬の地元ーーーあたしの家からは、電車で二駅行った所。

隣町ってヤツだ。


「あれ~?瀬口浴衣じゃないじゃん!」

駅の改札で待ち合わせてたあやねは、ピンクと水色の花柄の浴衣姿で現れた。

「あー、ごめん。暑かったから。」

あたしは、その場をテキトーに取り繕った。

「今日涼しい方じゃない?」

「まぁいいじゃん。てか浴衣似合ってるね。」

「そぉ?ありがとー♪」

気乗りしない企画に参加したものの、何だかんだで雰囲気に呑まれたあたしは、少しずつテンションが上がってきた。

周りには、浴衣姿の女の子やカップルなんかが居たりする。

あやねはキョロキョロして、生輝くんと工藤瞬を探し始めた。