視界の先に篠田くんと森さんがいる時でも、ほんの少しだけ気がまぎれる…。

それだけは、ありがたかった…。


でも、なんでかな。

ため息の粒は、大きくなるばかり―――…。

この距離は、ゲーセンでプリクラを撮った事や、ついこの間のクリーンデーさえも、遠い過去へと導いていく。


そして心の中は、いやらしい嫉妬の想いが渦を巻くーーー…。

汚い自分を、自分で見ているみたいで、嫌になる。

否定しきれない。

どろどろする――…。

巻き始めた渦は、すぐに大きくなって…弾け飛んだ粒は、至るところに水玉を作りだす。

篠田くんとの距離が、遠くなっていったイライラ?

自分自身の事さえも解らずに、自分勝手な妄想を膨らませるあたし…。


伝えたい想いは、いつしか沼の中から出てこれなくなってしまっていた。

そのまま沈んでしまえば、あたしは楽になれたのかな……。