「まず瞬は、自分の事をもっとよく知ってもらった上で、返事が欲しい。瀬口姉は、好きな人がいる。だから告られても困る…と。」

あたし達の気持ちを整理しながら、生輝くんの話は思わぬ方向へと続いていった…。

「だったら、お互いを知れば良くない?」

……。

「でね、提案。来週の土曜に、俺らの地元で花火大会があるんだけど、みんなで行かない?」

…花火大会ぃ⁈

「わぁ、賛成!」

「俺も賛成!」


ちょっと…。

待って…。

勝手に決めるなぁっ!


「決まり。」

生輝くんは、得意気な笑顔だった。

もちろん、あやねと工藤瞬もテンション上がってる。

あやねなんか、さっきまでの不機嫌はどこへ行ったのやら…。


…あ。

「生輝くんの言ってたセッティングって…。」

ハメられた感満載のあたしだけが、笑顔を共有できないでいた。