「…悠でいいよ、和奈。」

「…。」

「行こっか。」

あたし達はそっと、でもしっかりと手を繋いで歩いた。


これからも、ずっと一緒に…。

「沙耶香、デキ婚らしいよ。」

「そうなの⁈若いママになるね~!」



「和奈…。」

「ん?」

和奈と呼ばれてドキドキしながら篠田くんを見上げたら、首を曲げて…耳元で言ったんだ。


「和奈も早く、ママになりたい?」

「もぉーっ、篠田くん!からかうなぁーッ!」

「だから悠って呼ん……。」

「どっちでも一緒でしょ!」

真っ赤な顔をしてるだろうあたしは、必死で照れ隠し。


「あはは。やっぱかわいいね。」

「…うるさいッ!!」

「その前に”篠田”にならなきゃね。」

「……!」



夕陽に映し出されたあたしの水玉模様は、きっと今、大きなハート型にカタチを変えた―――…。



これからも、アナタだけに一途な想いを…水玉模様を描き続けていくんだ。








《END》