瞬のことはすきーーーキスもえっちも、する。

でもあたしはきっと、瞬を想う気持ちよりも、篠田くんを想う気持ちの方が、強くなってしまったんだ。

「ちゃんとイイ匂いする?」

そう気づいてしまったから…この状況が、ひどく辛い。

「うん!超イイ匂いだよ。」

なのに瞬と別れることも出来なくてーーー瞬は、いつでも想ってくれてて、何度も何度もあたしを助けてくれた…。

実際、篠田くんとキスまでしておきながら、瞬のことも好きだなんて、ムシの良すぎる話だ。


「襲いたくなったぁ?」

「あはは。なるなる(笑)。」

でも…瞬と別れるなんて、考えられなかった。


4月末ーーーあんなにキレイだった桜が、すっかり葉桜になってしまって…それももう終わろうとしている今も、あたしは変わらなかった――…。

彼女失格だ、あたし。


あやねには、あの日から何でも隠さずに話してる。

“瀬口の気持ちが固まるまで、あやね協力するよ。瞬くんには悪いけど、焦らないで考えて?”