「…あは。」

あたしは…。


あたしは、あのまま篠田くんと……それでも良かったのに。

謝らないでよ、全然笑えないし。


帰り道―――篠田くんは、あたしを駅まで送ってくれた。

手を、繋いで歩いた…。


何故だかすごく不安な気持ちでいっぱいになって、駅に着いても、あたしは篠田くんの手を離せなかった。

さっきまで篠田くんの部屋で、くだらない話で盛り上がったり、音楽聴いたり、2人してうたた寝したり、いっぱい…キスしたりーーー嘘みたいな時間を過ごしていた…。

そのせいなのか、別れ際に何故か不安になって、泣きそうになった…。


篠田くんはそんなあたしに何も言わず、繋いだ手を離そうともせず、ただそばに居てくれた。

そして時々、頭をなでたり額にキスしてくれたりしたんだ…。


あたしはこの不安が何なのか、まだ解らずにいた…。

解るはずもなかった……あたしには、知らないことが多すぎたから。