「…。」

篠田くんに近づいたら、きっとドキドキしてるのがバレちゃう…。

でも…あたし……。


また篠田くんに、抱きしめられたい。

また篠田くんを、抱きしめたい。

だから、篠田くんの手を取らずにはいられなかったんだ…。


「はい、ここね。」

「…。」

あたしは再びベッドの上にーーー篠田くんの腕の中に、キレイに収まってしまった。

分かりやすく言うなら、篠田くんに後ろから抱きしめられてて、すっぽりハマってるカンジ。

あたしに寄りかかってる篠田くんの顔が、あたしの左肩あたりにあって…少し、いい匂いがする。

「少し、こうしてていい?」

耳元から直接入ってきた篠田くんの声が、身体の中で振動する…。

「うん…。」

あたしは、少し篠田くんにもたれてみた。

「さっきヤバかったし、マジで襲いそうになった(笑)。」

「…。」

「ケータイ鳴らなかったら、俺の理性戻ってこなかったよ。ホントごめんね。」