いつの間にか、あたしの中の瞬がどんどん溢れだして止まらなくなって…あたしはその度に溺れそうになるんだけど、瞬の手が、腕が、身体が、優しく導いてくれた。


あたしは最後まで、その愛情に包まれていた…。

ーーーあたしの全てが、瞬のモノになったんだ。



「おはよ~瀬口ぃー。こんなとこにいたー。早くしないと遅れちゃうよ?」

「あ、うん。待って?もう少しだから。」

「寒いから早くね~。」

「はいはい。」


一夜明けた月曜日の朝ーーートイレで寝癖を直してたら、あやねが入ってきた。

学校のトイレは、ムダに寒い。

今日は2学期最後の日、これから体育館に移動して終業式がある。


「てか瀬口、そんなネックレスしてたっけー?」

「あー…もらった。」

「マジー?あ!昨日⁈瞬くんからだぁ!何気に指輪じゃん。ペア??」

あたしの少し恥ずかしそうな様子を見て、すぐに察したあやねだった。

「い、一応…。」

「そぉなんだー。いいなぁーラブラブじゃん♪あたしも生輝に買ってもらおうかなぁー。」