水玉模様

なかなか眠気がこないあたしは、漫画なんか読んだりして時間を潰していた。

あとはあやねに勧められて、ケータイ小説も最近読む様になった。

ジャンルは色々あるけど、実体験を取り入れたものも少なくない。

ケータイ小説がドラマや映画になったりしてるんだと、あやねから聞いた。

『瀬口知らなかったのぉ?有名だよ。』

って言われたけど、知らないものは知らない。


「…。」

ふとケータイを見ると、メールの受信を知らせるマークがあった。


瞬…まだ寝てないのかな。

それか、あやね?

《今日瀬口さん誕生日なんだよね?おめでとう。》

水玉がドクンと鳴って、割れそうになった。


「…篠田くん。」

嬉しくて、嬉しくて、あたしの中の水玉が、ふわふわと落ち着きのない模様をつくりだす。

久しぶりに…その名前を口にした。

震える唇にそっと指で触れながら、返信する。

《誰から聞いたの?》