水玉模様

「だからそう言ってるでしょ。」

「…。」

それっきり、充也は黙ってしまった。

そして、ずっと黙ってた藍さんが口をひらいた…。

「充がカリカリしてる意味がわかんない。」

…その通りだ。


「人の気持ちが変わることは、おかしいことじゃないんだから。キッカケは何でもいいんだよ。新しい恋愛を始めた瀬口ちゃんを、応援してあげるべきでしょ?」

「…。」

充也は、黙ったまま藍さんの言葉を聞いていた。

「だいたい充だって、礼衣子と付き合う前に何人オンナがいた?人の事言えるの?」


「…悠はさ。」

充也がポツリと声を出したーーーと思ったら、すぐにその話題を変えたんだ。


「工藤と、うまくやってんなら…いいんだ、別に。だけど中途半端に付き合うな。悠のことは、心の片隅にも置くな。友達以上の感情を一切持つな。」


“…悠はさ。”

充也、その後に続く言葉は?