水玉模様

「ありがと。」

コーヒーを飲み干した篠田くんは、何事もなかったかの様に部屋に戻ってしまった。

それから少しして、あたしも部屋に戻ったけど…眠気がくることはなく朝を迎えるハメになった。



修学旅行3日目ーーー最終日の今日は、京都でお土産を買うための時間が少しと、帰る途中の三重県で真珠の養殖場の見学をして、それから名古屋へ戻る。


「瀬口ーッ！あっちも見よー？」

昨夜は爆睡したであろうあやねは、いつものハイテンションに戻っていた。

「あやねお土産買いすぎだって。あたしバスで待ってるよ？」

「え～っ！」

「いや、マジ無理…。」

あやねが止めるのも無視して、あたしはバスの中で出発を待つことにした。


「おぅ、瀬口じゃん。」

駐車場まで来たところで、あたしは手ぶらの充也に呼び止められた。

「あぁ、充也。お土産いいの？」

「俺は昨日の内に買ったから。瀬口も土産買ったのかよ、彼氏にさ。」