水玉模様

耳を疑うとは、こういう事をいうの…かもしれない。

篠田くんの告白に、身動きができなかった…。

なのに心だけが、倒れてしまいそうなくらい激しく揺さぶられたーーー。


「彼女じゃ、ない…?」

「うん。」


「…でも、毎日一緒にいるし、それに、森さんとか…周りも、篠田くんが彼氏だ…って、言ってるよ?」

てかヤバイ…完全にテンパってきた。


「勝手に言ってるだけだろ…。」

「…う、嘘……。」

「俺は、一度だって認めた事はないけど?」


……あ。

そうだった、あたしは前から、それを不思議に思ってたんだ…。

ホントに、付き合ってないから…だから…。


「幼なじみで家も近いのはホントだけど、付き合ってはないよ。」

「……。」


今更ーーー知りたくなかった。

知らないままで、いたかった…。

「だから、番号教えて?」

さっきよりも少しだけ爽やかになった篠田くんの笑顔を目の前に、もう…断れないあたしがいた。