水玉模様

夕方ーーー宿に着く頃には、雨はあがっていた。

そして1日中歩いて疲れたのか、部屋の半分くらいの子達は、消灯の時間に早々と眠ってしまっていた。


「あやね…?」


ーーー少し待ってみたけど、返事はなかった。

あやねも寝ちゃったのか…。

何故だかあたしは目が冴えていて、なかなか寝つけなかった。

「…。」

あんな物を、買ってしまったからかな…。

あたしは今日行った清水寺の近くで、恋愛成就の…お守りのチャームが付いているボールペンを買ったんだ。

清水寺には、縁結びの神様が…いるらしい。


和紗へのおみやげにと買おうとして、自分の分も…。

このボールペンでラブレターでも書けば、恋愛成就できる的なカンジなのかな。

「……ふ…っ。」


必要ないのに、ね。


「…。」

寝ようとすればする程、あたしの目は冴える一方で、もうすぐ日付が変わろうとしていた。