水玉模様

「瀬口ぃ~。」

修学旅行の夜は…やっぱり少しおしゃべりになってしまう。


「し、篠田…くん。」

「……そうだったのかぁ、だから言えなかったのー?森さんいるし?」

「ん…まぁね。ゴメン。」

「過ぎたことだもん、謝らないで?今は瞬くんとラブラブなんだから♪」

「そうだね。」

過ぎたことーーーか。

今のあたしには、瞬がいる。


篠田くんへの想いは、過ぎたこと。


過ぎたこと…。



過ぎたことーーー。



黒い、暗い雲から、シトシトと雨が落ちていた。

「あやね超眠~い…。」

「…てか今日寒くない?」


修学旅行2日目ーーー今日は1日自由行動だというのに、あいにくの雨でテンションは急降下。

加えて、寝不足。

昨日はどちらからともなく眠りに就いたけど、睡眠時間にしたら3、4時間ってとこだ。

サキちゃんは石黒くんと…ってことは、残ったメンバーで今日を過ごす事になる。

ーーーと、思っていたのは今朝の話。