水玉模様

「…瀬口、起きてる?」

寝静まった部屋ーーーあたしの隣から、あやねが小声で話しかけてきた。

「うん。」

「ねぇ、寝るまで何か話そ?」

「いいよー。」

「瀬口は瞬くんのおみやげ何にするのー?」

「え~、決めてないけど。…八つ橋とか?」

そうだ…おみやげ欲しがってたな。


「4人でお揃いにしない?」

「八つ橋を?」

「違うしー。お揃いの八つ橋って意味わかんないし(笑)。」

「あ…。だよね…。」

あたしの中は、さっきのサキちゃんと石黒くんの事でいっぱいで、あやねと上手く話せずにいた。

「瀬口なんかあったのー?」

「んー…実はさぁ…。」

修学旅行の夜は…何故だか少しおしゃべりになってしまうんだ…。

普段と違う環境のせいかな。

「…マジ⁈サキちゃんと石黒くんが…って…もぉ~ッ!どーしよーっ!超スゴイじゃんっ!」

あやねのテンションが上がってるのが、手に取る様にわかる。