水玉模様

あたしは一つの部屋の前で、足をとめた。

その部屋は、使用クラスの表示がないのに、引き戸が少し開いていたから。

空き部屋…だよね。

今回は貸し切りにしてるらしいから、空き部屋があったとしても、おかしくはない。

鍵のかけ忘れか何かかな…それとも表示が取れただけ?


「石黒…くん……。」

え―――…石黒くんって言った⁈


部屋の中から、声がした。

てかこの声…サキちゃんだ。

あたし達が協力せずとも、2人は一緒にいた。

気になって、つい耳を澄ましてしまう。


中にもう一枚戸があるから姿は見えないけど、部屋の中で何が起こっているのか、何となくだけど想像できた…。

「…。」

両想い…だったんだね。

ホッとしながらも、想像力を掻き立てられて熱くなる身体…。

耳の表面をかすめていくサキちゃんの声に、どうしようもなくドキドキしていく。

あたしは妄想を断ち切るために、そっと戸を閉めたーーー。