ドドォォォ……ォン…!



「……ん?ごめん、もう一回言って?」


「……。」

花火の音が、あたしの声を…かき消していた。

届かなかったーーーあたしの声。

届かなかったーーー…篠田くんへの想い。


もぅ…言えないよ……。



「たこ焼き…。」

「え?」

「たこ焼き、おいしいねって言っただけ!」

そしてあたしは、にっこり笑ってみせた…。


こうして終わった―――今日。

篠田くんとの、花火大会。

あたしの、夏ーーー。


ぐるぐると廻る、伝えられなかった想い…。

バニラアイスみたいに、甘い…甘い想い。


いっそのこと、溶けてなくなってしまえばいいのに。


想いは、またあたしの中に隠れてしまったけど
、それは、花火が終わっても空を見上げ続けているような…興奮状態。

儚く散った後も、冷めやらない熱。

でももうーーーその衝動を口には出来ないんだと、言い聞かせた。


あたしの恋心は―――…。

果てしなく、水玉模様を増やし続ける。