スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―



さっき、らみちゃんが例の車に乗り込むとき、決してイヤイヤな感じではなかった。

でも、らみちゃんは、普段からあまりにも人懐っこい。

警戒心がまったくないって言ってもいい。

だから不安なんだ。

知らない人にも無邪気についていっちゃいそうで。


らみちゃんを連れ出した男の人、チラッと見た。

30代だと思うけど、ブラウンに染めた髪が少し長めのイケメンだった。

何だこの芸能人まがいの男は、みたいな。

間違っても、普通の公務員やサラリーマンじゃなかった。

何かこう、オーラが違った。


イケメンだったんだよなあ。

らみちゃんだって整った顔してるんだけど、小柄なかわいい系であって、さっきのイケメンとは似てるように感じなかった。

車から身を乗り出してるとこを見ただけだけど、それでも背が高いってわかったし。

手、おっきかったし。


って、その人がイケメンだろうが何だろうが、どうでもよくて。

問題は、なぜ小学生の女の子を、まもなく暗くなろうって時間帯に、大人が飲みに繰り出す繁華街に連れ出すのかって点だ。

ちなみに、今日は火曜日。

バーの看板を見たい曜日とも言えない。