スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―



お風呂を沸かして、ゆっくり入る。湯船につかりながら一人反省会をするのが、わたしの日課だ。

どんなに忙しい通知表シーズンでも、暑い季節だって、お風呂だけは欠かさない。


「すっごい放課後だったなぁ……」


湯気に曇る浴室に、わたしの声が反響する。

ゆったり広いお風呂で脚を伸ばしてみて気付いたけど、かなり疲れていた。

だって、いきなり目の前であんな演奏されたんじゃ、日常がどこかに吹っ飛んでいってしまう。


結局、何も解決しなかった。

上條らみちゃんという難しい女の子について、教師のわたしはどうすべきでしょうか?

家庭訪問には失敗したし、おうちの人との連絡もつかないままだ。


いや、問題解決どころか、夜間外出という新たな問題に出くわしてしまった。

しかも、教育的によろしくなそうなイケメンと一緒だった。

あの人、何者なんだろう?


「仕事の持ち帰りはダメって言うけどさぁ、無理だよね」


プライバシー保護の観点から、通知表その他の資料の持ち帰りは推奨されない。

公務員なんだから定時で帰って残業なしってのが建前。

でも、そんなの絶対に無理だから。