わたしは頼利さんの首に腕を回して、自分の唇を頼利さんの唇に押し付けた。
ワインの香りの唇は、驚いて何か言おうとして、半端な形で止まっている。
その舌を誘い出して、大人のキス。
焦らした上に笑った罰だ。
女の顔したわたしを全部、今夜、ここで受け止めてもらうから。
生半可な愛情じゃ許さないから。
好きな気持ちが止まらない。
「おい、なぎさ……」
息継ぎの合間に、頼利さんが色っぽくささやく。
熱のこもった目が、やるせない衝動もあらわに、わたしを射抜いた。
「あおるなよ。酔ってんだから、手加減できねえ」
「あおってほしいんでしょ?」
「生意気」
かすれた声でつぶやいた頼利さんに押し倒される。
幸せのふわふわに満たされて、つい笑ってしまったら、もう1回、生意気と言われた。
そのくせ頼利さんだって、わたしを見つめながら優しく笑っていた。



