ひとつふたつ、星が見える。
キラキラは地上のほうが多い。
地下には、もっとまぶしいキラキラが隠されてる。
「ライヴハウスって、どうして地下に多いんでしょうね?」
「知らね。家賃が安いんじゃねぇのか? デカくて豪勢なコンサートホールなんかより小汚いハコのほうが、ジャズには似合う」
ジャズがボトムアップの文化であって、決して恵まれた背景事情を持たない音楽だったことに、頼利さんはむしろ誇りを持ってるように見える。
着飾ってない自分を語るための「言語」であるジャズを、ありのままに愛してるから。
「今日はありがとうございました。素敵な場所に連れてきてもらえて、すごく楽しかったです」
「なぎさ、言葉。いい加減、その堅苦しいしゃべり方はやめろ」
「う。だって」
「だってじゃねぇだろ。何でそう一線引いてんだ?」
それはこっちのセリフだ、って言いたい。
夕方、ホテルにチェックインして部屋に入ったとき、唖然としたんだよ。
何でツインルームなわけ?
普通そこはダブルベッドのカップル用の部屋を取るでしょう!?



