らみちゃんの去年の担任の先生は、らみちゃんと相性がよくなかったみたいだ。
いくつか残ってた生活記録には、らみちゃんの普段の様子について「空気が読めない、社会性のない、集団生活のできない子」と、荒れた筆致で書かれていた。
人間は誰しも得意分野と苦手分野がある。
らみちゃんは発達障害かもしれないけど、その障害の診断の線引きは、実はかなり曖昧だ。
苦手分野がどのくらいの苦手レベルだったら障害と呼ばれるのか、少しは勉強したけど、やっぱりよくわからなかった。
障害児とひとくくりにして、ひとりひとりの特性や個性を見落とした結果、子どもたちから学びのチャンスを奪ってしまうケースが、最近では報告例が多い。
らみちゃんも、出会う先生次第では、伸びしろを消されかねないと思う。
らみちゃんの将来を守ってあげなきゃいけないなって、頼利さんの話を聞きながら、誓いを新たにした。
受け持ってる子どもたち全員に、明るい未来がきてほしい。
らみちゃんは、ほかの子とは違う難しい道を選ぶんだろうから、できる限りの支援をしてあげたい。



