スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―



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ジャズというのは自分を表現するための「言語」で、ジャズという言語の最大の特徴はスウィングと呼ばれる「訛り」だ。


遠い記憶の彼方から、そういえば加納からもスウィングって言葉を教わったと、ぼんやり思い出した。


「三連符みたいなものって言われました。

八分音符だったら1拍のうちに2回タンタン、三連符だったら1拍のうちに3回タンタンタン。

ジャズのスウィングは、タンタンタンに乗っかるようにリズムを付けていくって」


頼利さんは両手にスティックを構えた状態で、眉を段違いに歪めた。


「あ? そんなん、誰から聞いた? あの男か?」


「は、はい」


「初心者だな」


「え?」


「三連符じゃ、正三角形だ。そんなカクカクした動き、スウィングじゃねぇよ。スウィングって、揺れるって意味だぞ」


「あ、まあ、確かに。もっと、ぐぃ~んぐぃ~んって感じの柔らかさがありますよね」


頼利さんいわく、教則本によっては、三連符だとか、付点八分音符と十六分音符の組み合わせだとかを使って、ジャズのスウィングを忠実に楽譜に落とそうと試みてあるらしい。

でも、実際には、スウィングは分数みたいな音符じゃ表現できないものだという。