「らみ、あいつらと一緒にコンサート行ってこい」
「え? あたしだけ? ライリと先生は?」
「先生は仕事があるんだそうだ。おれは先生を送ってやる」
「そーなの?」
らみちゃんがわたしの顔をのぞき込んだ。
真ん丸な目に見つめられると、答えに困る。
口を開けないわたしの代わりに、頼利さんが、らみちゃんの肩をぽんと叩いて答えた。
「さっきのやつが先生の仕事を邪魔したせいで、先生は忙しくなっちまったんだ。
コンサートが終わるころには先生の仕事も終わるから、帰りはおれと先生で、らみを迎えに行く。わかったか?」
「そっか。わかった! じゃあ、あたし、ジョンたちと一緒に行ってくるね。先生、お仕事、頑張ってね!」
らみちゃんは素直にわたしに手を振って、リーダーさんたちのほうへ駆けていった。
彼らと合流すると、キラキラする笑顔で、はしゃいでみせる。



