「見てるポイントが違いすぎるでしょうが! というか、あれは誉めてるんですか? 仮にも小学生の保護者だってのに、品がないですよ。もっと別の言い方したらどうです!?」
「はいはい、すんませんでした」
一応は謝りつつも、頼利さんはニヤニヤしていて、反省の色はゼロだ。
どこ見てるんだ、この人?
わたしのこともそんなふうに見てるわけ?
気になってきて、わたしはシートベルトをこっそり引っ張って、軽く浮かせた。
たいしたサイズじゃない胸は、どうせこの程度じゃごまかせないけど。
わたしのささやかな足掻きに気付いているのかいないのか、頼利さんは話題を変えた。
「あんた、元カレのSNS、検索したことあるか?」
「ないです。ネットで個人名検索って、怖くてできません。学校の裏サイトとか、のぞいてしまったら、ダメージがすごそうで。
そもそもSNSは、きちんとコミュニケーション取れるほどの時間的余裕がないから、メッセージ機能以外、ほぼノータッチです」
「SNSは確かに時間を食うし、見たくないものを見ることもある。あんたの言ってることも一理あると思う」
「それより、加納のSNSって、どういうことです?」



