スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―



16人もいれば、オフの過ごし方はバラバラだけど、そのうちの何人かは自ら進んで、らみちゃんにジャズを教えたり一緒に遊んだりしているという。

光景を想像したら、何だか微笑ましくて、顔がにやけてしまった。


「おじいちゃんと孫娘みたいな図ですね」


「じいちゃんたちと孫娘、だな。ドラムのジョンは開店前のデュークで、らみにレクチャーしてくれたんだが、あいつもああ見えて還暦過ぎてるし」


「嘘ぉっ!? あんなにキリッとして若々しくて貴公子でイケメンでダンディでカッコいいのに、そんな年齢なんですか!?」


「誉めすぎだろ」


「足りないくらいですよ!」


「らみと言い、あんたと言い、やたらあいつの肩持つんだな」


「だって、カッコいいですもん」


「まあな。確かに別格だよ。ストイックだし、ドラムに関しては誰よりも貪欲だ。

ツアー中、毎日飲んだくれて二日酔いしてるメンバーもいる中で、ジョンだけは毎朝のランニングを欠かさない。

おれもジョンに憧れて、スティックの持ち方まで真似しちまってる」


貴公子は、努力してるから貴公子なんだ。

問題児がそのまま大人になったような頼利さんが素直に憧れるほどの人物。

奥さんいるんだろうな。

奥さんがうらやましすぎる。