スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―



「ねえ、らみちゃん、あの……」


「先生先生、この席だったらね、ドラムがけっこう見えるんだよ!」


「え、ドラム?」


「あのね、ほらほら、奥にドラムがあって、その左の前にコントラバスがあって、その左の前にピアノがあってね、ドラムとバスとピアノがリズムでね、あっ、左ってこっちで合ってる? スネア叩くほうの手?」


「合ってるよ。でも、スネアって何?」


「左手で叩くの! でね、リズムはステージの左にいるの!」


唐突に始まったのは、ステージ上の編成のことだ。

テーブルからほんの50センチ行ったら、ステージがある。

すごく低くて、小学校の玄関の靴脱ぎと同じくらい。


ステージに向かって左手、中央の奥にドラム、その手前にコントラバス、さらに手前にグランドピアノがセットされている。

ドラムとコントラバスがリズムを担当するのはわかるけど、ピアノもそこに含まれるの?


「それでね、椅子がね、5たす4たす4なの! サックスとトロンボーンとトランペットが5人と4人と4人でね、13人でね、13人とも3つとか4つとか楽器を吹いてね、立ち上がってソロをやってね、みんなスウィングするの!」


「ちょ、ちょっと待って! 13人? そんなに多いの? 今から始まるの、ジャズのライヴよね?」