Sweet Puppy Love



おかげで、移動中の電車もなんだかんだとやかましくて。

一応年上で保護者的な立場なあたしは、文化祭会場に入る前に若干疲れてしまった。


「はい、中行くよー」

「あ、待って。美姫ちゃん!」

そう言って促すと、あたしの後ろをパタパタと夢羽ちゃんが、そのあとを理皇と玲皇がダラダラと気だるそうについてくる。

面倒なら、ついてこなけりゃいいのに。

弟たちの様子をちらっと見て、ため息をつく。

双子でちょっと人目をひく外見のふたりは、外部からのお客さんや中等部の制服の女子たちにちらちらと見られていて。

何となく予想できてたその光景に、さらにちょっとため息が漏れた。

そのことに気付いてないのか、気付いてて無視してるのか。

理皇と玲皇は、夢羽ちゃんのことをときどき意地悪くからかいながら中等部の校舎内を歩いて行く。

最初はあたしの後ろをきょろきょろしながら付いてきていた3人だけど、そのうち慣れてきたらしく、自分たちの気になる展示や飲食物の売ってるお店を見つけて勝手にうろちょろし始めた。