「美姫ちゃん、服乾いたらなんか食べに行こう。動いたら、腹減った」


お腹に両手をあてて、仁織くんがにこにこと笑う。

その笑顔は、見慣れたいつもの仁織くんのものだった。

そう、見慣れた……

それなのに、なぜかどうしようもなく胸が騒ついて。

しばらくのあいだ、仁織くんの顔をまともに見られなかった。