「子どもっぽいとか、イメージ違うとか言われるの怖くて」
「そうなんだ?じゃぁ、今度は遊園地デートする?」
仁織くんが笑いながら、さらりと次のデートの約束を交わしてくるからドキッとした。
「な……どうしてそういう話になるのよ。今日のこれは、この前助けてもらった貸しがあるからで。今度とかもうないんだから!」
「あー、そっか」
ムキになって誘いを断ったあたしに、仁織くんがやんわりとした笑顔を向けてくる。
そっか、って。
遊園地デートの誘いは、口から出た気まぐれだったの……
そう思うと、それはそれでちょっと複雑な気持ちになる。
なんだろう。この変な気持ち。
あたしってば、仁織くんなら一回断ってもまた言葉を変えて誘ってくるんじゃないかって。
そう思って、ちょっと期待してたのかな……
あたしは俯くと、つかんでいた服の裾を、もう水も出てこないのにムリにギューギューと強く絞った。



