「美姫ちゃん、遊ぼう」 仁織くんがにこりと笑いながら、子どもみたいに誘いかけてくる。 「いいけど。あたし、仁織くんには負けないよ」 あたしはにこりと笑い返すと、水路に足を浸して振り返った彼に向かって水鉄砲を構えた。 「へぇ、楽しみ」 照りつける太陽の光に、少し目を細めた仁織くんが、あたしを見上げて口角を引きあげる。 青空の下、仁織くんの笑顔がなぜかいつもより眩しく見えた。