「美姫ちゃんがいつも乗る電車あるでしょ?それに乗ったら、学校の最寄の2つ先の駅で降りて。そこの改札前に10時半集合。大丈夫?」
学校の最寄の2つ先の駅に10時半。
頭の中で復唱してから小さく頷く。
「わかった」
仁織くんが指定してきた駅に、ショッピングモールとか映画館とかあったっけ?
考えていると、仁織くんが話しかけてきた。
「じゃぁ、明日美姫ちゃんに会えるの楽しみにしてるね。バイバイ」
明るい声とともに、通話が切れる。
電話が終わると、あたしは今度はちゃんと仁織くんの番号を携帯の電話帳に登録した。