「中学生なのは、現時点での話でしょ。あと2年もすれば仁織くんだって高校生だよ」
気づいたら、強い口調でふーたんに反論していた。
仁織くんが永尾先輩に言っていた言葉。
それをほとんどそのまま口にしたあたしを、ふーたんが目を丸くして見つめる。
「どうしたの、美姫。急にジャノンボーイの肩もっちゃって。やっぱり付き合いだしたの?」
「だから、違うってば!」
八つ当たりするみたいなきつい口調でそう言い放って、ふーたんからプイッと顔をそらす。
あたしは仁織くんとは付き合ってないし、特別な恋愛感情なんてない!はず……
だけど、仁織くんがあたしに向けてくれる気持ちは純粋すぎるくらい本物で。
だから、中学生だとかそういう理由で仁織くんのことを他人にからかわれることが腹立たしくて悲しい。



