弟たちと同じくらいの中学生に告白現場を見られたと思うと結構恥ずかしい。
「あ、待って」
気まずいからさっさと立ち去ろうと思ったら、その中学生に呼び止められた。
「先輩の名前って、藤村 美姫ちゃんだよね?」
「え?」
初対面のはずの中学生にフルネームで呼ばれてドキリとする。
どうしてこの子、あたしの名前を知ってるの……?
警戒しながら振り返ると、中学生の彼がまだあどけなさの残る顔でにこりと笑った。
「やっぱり。去年の高等部の文化祭で見かけて、やっぱり綺麗だなぁって思ってて。でもたまに見かけたと思ったら、だいたい高等部の彼氏っぽい男の人と歩いてる多いから、のぞみないかなーって」
彼があたしに向かってそんなことをペラペラ話す。
「はぁ……」
あれ。もしかしてあたし、中学生に絡まれてる?
どうしたものか、と苦笑いを浮かべたとき、彼があたしを真っ直に見つめて目を輝かせた。



