「へぇ、ジャノンボーイは小学生からのストーカーだったんだ?」
週明けの放課後。
仁織くんのストーカー疑惑が解決したことを話したら、ふーたんが楽しそうにふははっと笑った。
「だから、違うって」
あたしは仁織くんはストーカーじゃなかったって話をしたはずなんだけど。
なぜ、そうなる……?
上履きからローファーに履き替えたあたしは、不満げに口元を歪めながらふーたんと並んで昇降口を出た。
「ねぇ、今日もいるよ」
校門を指差しながら、ふーたんが悪戯っぽく笑ってあたしを振り向く。
ふーたんの指が指し示すほうに視線を向けると、そこには高等部の校舎を伺うように校門の外から半分身を乗り出している仁織くんの姿が見えた。
「げっ……」
眉を顰めて低くつぶやく。
その声音とは裏腹に、仁織くんの姿を見つけた瞬間にあたしの心臓はドクンと大きく跳ねていた。
「あの子、あれみたいだね」
「あれ?」
ふーたんの言葉に首をかしげる。