「何で今までの男は美姫ちゃんの嫉妬が重いとか言ってんの?本気で好きだったら、自分以外の女の影がちらついたときに怒るのなんてあたりまえじゃん。そんな言葉で美姫ちゃんのこと傷付けたやつ、今からひとりずつぶん殴りに行きたい気分なんだけど」
仁織くんが、怒っているような低い声でぼやく。
「仁織くん?」
「俺は、美姫ちゃんのこと本気だから。だから、美姫ちゃんの嫉妬も嬉しいよ?」
抱き締められた腕の中で戸惑い気味に顔を上げると、仁織くんがあたしを見下ろしてにこりと笑った。
「…………」
かなり取り乱して本音をぶちまけたから、絶対に嫌われると思ったのに……
仁織くんが無邪気に笑いかけてくるから、言葉を失い、ただただ赤面してしまう。
「美姫ちゃんが何と言っても、元カノとはもう本当に何もないし、これからも何もないから。それだけは信じて」
仁織くんが優しい目をして見下ろしながら、あたしの髪をそっと撫でる。



