「み、美姫ちゃんっ!女の子がそんなことおっきな声で言っちゃダメだって」
周りを気にして制してくる仁織くんに、ちょっと腹がたつ。
「あたしはそういう返事が聞きたいんじゃないもん。元カノとシたの?」
わざと大きな声でそう言うと、仁織くんが慌てふためきながら、声のトーンを落とせとばかりに人差し指を口にあてた。
「……だって、まさか美姫ちゃんとこんなふうに再会できると思ってなかったし」
「だから、あたしはそんなこと聞いてない!元カノとはシたの?シてないの?」
仕方なく、といった調子でぽつぽつと言い訳のような言葉を漏らす仁織くんを涙目でじっと睨む。
強い口調で問い詰めると、困ったようにあたしを見つめ返しながら、仁織くんがため息とともにつぶやいた。
「それは、シてない、けど……」
それを聞いて安堵したあたしは、自分で思ってた以上に相当嫉妬深い。
こんな問い詰め方して、またイメージ違うって嫌われるかな。
感情的になってしまったことに後悔していると、仁織くんがじっとあたしの顔を覗き込んできた。



