「美姫ちゃんが顔近づけてくるから、変な気起きた」
次に視界が開けたとき、ダークブラウンの瞳を艶っぽく揺らめかせながら、仁織くんが低い声でつぶやいた。
驚いて目を瞠るばかりのあたしに、急に仁織くんが大人の男の人みたいな顔をしてふっと微笑む。
そのままもう一度、仁織くんの顔が近づいてきたから、鼓動を高鳴らせながら目を閉じた。
そっとぶつかってきた柔らかな感触が、舐めるように唇を食む。
仁織くんがくれたキスはとても熱くて、優しくて、甘ったるいチョコレートの味がした。
数回唇を重ね合わせたあと、仁織くんは名残惜しそうにあたしから離れた。
あたしを見つめるダークブラウンの瞳はいつになく切なげで、年下なのに、その表情が妙に色っぽく見える。
仁織くんを見つめ返すあたしの鼓動は、今までにないくらい高鳴っていて。
どうしたって、自制が効きそうにない。
目を閉じて彼の唇を受け入れた時点で、これはもうどうしようもないって自覚した。



