言葉の意味を頭の中で考えながら、ゆっくりと顔を上げる。
そっと横を向くと、仁織くんが熱っぽい眼差しをあたしに向けていた。
「美姫ちゃんに、いつまでもガキだって思われないように頑張るから」
そんなふうに強い口調で宣言されたら、反論なんてできない。
無言で仁織くんのダークブラウンの瞳をじっと見つめ返していると、じわじわと彼の顔が目に見えて赤くなってきた。
そうしてついに耳の先まで火照らせた彼が、手のひらで顔を隠すようにしてあたしから顔を反らす。
「あ、でも……あんまりじっと見ないで」
照れ隠しのつもりなのか、横顔を手で覆った仁織くんは、残りのアイスをガブガブとものすごいスピードで平らげた。
あんな決めゼリフを吐いておいて。
何よ、それ。
そんな彼の姿に呆れているくせに、同時に胸がギュッと詰まって苦しいのは、あたしの方がもう彼を諦めたりできないからだ。
髪の毛の間から覗く、仁織くんの耳の先がまだ赤い。
そんなことですら、どうしようもなく愛おしくて。
手で隠された横顔を見つめるあたしの口から、自然と笑い声が溢れてしまう。



