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「あ、よかった。空いてる」
コンビニで買ったアイスを持って公園のベンチに座る。
「ここ、学校帰りに寄りやすいからか、だいたいいつもうちの学校の制服着たカップルがいちゃいちゃするのに使ってんの」
アイスの袋を破きながら、仁織くんがクスッと笑う。
文化祭の日に気まずい別れ方をしたはずなのに、笑顔で話しかけてくる仁織くんの態度はいつも通りだった。
そんな彼とどんな顔をして会話すればいいのかわからず、あたしの方が戸惑ってしまう。
「美姫ちゃん、食べないの?」
アイスの袋をスカートの膝の上にのせたままでいると、棒付きのアイスを口に咥えた仁織くんが不思議そうに首を傾げた。
「食べる、けど……」
「けど?」
「あの、ごめんね」
あたしが謝ると、仁織くんはますます不思議そうに目を瞬いた。
「何が?待たせたことなら、俺全然気にしてないよ。こうして、お詫びに付き合ってもらってるし」
仁織くんがにこりと笑って、手に持ったアイスを軽く上に掲げる。



