「大丈夫だよ、まだ明るいし」
「でも、引き返す頃には暗くなるよ」
「平気だよ、通い慣れた道だし」
そう答えると、背中側にいた仁織くんがあたしの前に回り込んできた。
正面から赤い顔を見られるのが恥ずかしい。
髪を弄るフリをしてうつむいて手で顔を隠す。
そうしながらそっと仁織くんの様子を窺っていると、彼が何か思いついたように嬉しそうに笑った。
「バス停に行くまでに、公園があるんだよね」
「公園?」
「うん。だから、コンビニでアイス買って食べよ。待たされたお詫びはそれでいいよ」
顔を上げたあたしに、仁織くんが満面の笑みを返してくる。
「わかった」
その顔を見たら断れるはずなんてなくて。
苦笑いを浮かべながら、小さく頷いた。



