「それより美姫、昨日メールでもう一個おもしろいこと言ってなかった?今井からの告白現場を中学生に見られたとかどうとか」
「あー、うん」
ふーたんには、今井くんに告白されたあとに突然現れた中学生から「彼氏立候補」宣言をされたことをメールでちらっと話していた。
今井くんが立ち去ったあとのことを詳しく話すと、ふーたんがにやりと笑った。
「美姫、好かれる幅が広いね。そのうち、小学生とかも彼氏立候補してくるかもよ?」
「からかわないでよね。結構気まずかったんだから」
そんなことを言っているうちに、購買の前にたどりつく。
「買うように言われてる参考書ってどれだっけ?」
ふーたんが、問題集とかテキストとか。
本が積まれている棚のほうに歩き出す。
あたし達が購買に来た目的は、先生から言われていた英語の参考書を買うためだった。
「待って。あたし来る前にメモった」
そう言いながら、携帯を取り出す。
先生に言われたタイトルを、メモ機能にいれてきたんだよね。



