鼓動がドクドクと速くなって、焦燥感を駆り立てる。
「あの……」
「先輩は、彼氏とか男の人には困ってませんよね」
仁織くんとの関係を訊ねようと思ったら、彼女に強い口調でかなり断定的にそう言われた。
それって、どういう意味……?
頬をヒクつかせたあたしを睨みながら、彼女が言葉を続ける。
「先輩って、彼氏が途切れたことないんでしょ?いつも高等部のかっこいい男の人と歩いてるって、中等部にも知られてますよ。今日だって、ダブルデートでかっこいい男の子たちとここに来てましたよね?」
彼氏が途切れたことない、なんて言い方には語弊があるし、今日一緒に来てるのは弟とその幼なじみだ。
反論したい気持ちでいっぱいだったけど、責めるようにあたしに対する嫌悪にも似た感情を押し付けてくる彼女には、何を言っても言い訳としか受けとめてもらえないような気がした。
悲しさと悔しさが胸に入り混じるのを感じながら、無言で彼女を見つめ返す。
あたしが何も言い返さないから気が大きくなったのか、彼女が一歩進みでてきた。
最初に話しかけられたときに潤んでいた瞳が、今はもう渇いている。



