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「えー、今井に告られたんだ?それ知ったら、しーちゃん寝込むよ。2日くらい」
「しーちゃん、結構本気なんだ?」
「そうだよ。あー見えて」
昼休み。
購買に向かいながら昨日の今井くんの告白のことを話すと、「ふーたん」こと 関 郁乃がふははっと声をあげて笑った。
「どうしよう。嫌われるかな、しーちゃんに……」
「大丈夫。しーちゃん、今井より美姫のことが好きだから」
「今井くんのこと本気なのに?」
疑わしげに横目で見ると、ふーたんがまたふはっと笑う。
「だって、美姫に非はないよ。あっちが勝手に告白してきて、美姫は断ったんでしょ?」
「うん。今井くんもあたしの『落ち着いててクール』な雰囲気が好きになったんだって。あたしって、そんなふうに見えるのかな?」
肩を竦めると、ふーたんがあたしを見ながら「うーん」と小さな声で唸った。
「どうだろうね。こうやっていつも一緒にいたら、そんなふうには見えないかな。美姫、あたしと一緒にいるときはよく笑うしよく怒るよね。たまーにちょっと抜けてるときもあるし」



