「名前を語らずに、でもずっとおばあ様と美桜を気にかけてくださっているなんて。とても素敵な方だね」

「うん」


わたしの説明に安心したのか、智香はメッセージカードを返してくれた。


「だからね、もしかすれば冬休みに会えたりしないかなーなんて思ってて」

「あーなるほど。そういうことだったのね」


智香はわたしが冬休みをずっとおばあちゃんの家で過ごす理由を聞いて、納得した顔になった。


「じゃあ美桜がその人に会えることを願っておくから。会えたらどんな方だったのか教えてよ」

「うん、ありがとう。じゃあこれ買ってくるね」


わたしは分かってもらえたうれしさと、早く冬休みにならないかなという楽しさを抑えきれずに、早歩きでレジへと向かった。