おばあちゃんと眺めた雪見の月はもっと大きくて明るかった。 そして何にも音のしない世界で、耳が痛くなりそうだった。 けれどこの町はまだ眠ってはいないみたい。 道路を行き交う車やバイクの音、駅に家族を迎えにきたのか近くで車のエンジン音が止まる音が聞こえてきた。 ……みんな、誰かがいるんだよね。 「美桜姫はおばあちゃんを残して行かないって約束したのに。これじゃ、おばあちゃんがかぐや姫だね」 あんなに遠い空に浮かんでいる月に、この声が届くはずもないけれど。