春の扉 ~この手を離すとき~


無理矢理ステージに上がらされそうなったけれど、それだけは断固拒否して逃げるように体育館の外に出た。

それに文化祭が終わったらすぐに断わろうと思っていたのだけれど、興奮している健太郎くんと、よろこぶ文乃たちのテンションの高さに圧倒されて言うに言えなくて。



『まずは友達になってから』



この条件だけはどうにか伝えられた。


もし今あの瞬間に戻れるのなら、わたしは断りたいって思っている。